STORY奇跡のメモリ

奇跡のメモリ。

「どこかで見かけたことがある」とお思いでしょうか。 病院や薬局でよく見かける、ありふれた投薬瓶。 でも実は、ここに私たちシンリョウの 精神が息づくドラマがあります。

奇跡のメモリ

これ分量が測りにくくて…」。

始まりは、そんな医療現場の何気ない会話から。

日ごろ使っている投薬瓶には凹凸のメモリが刻んであるのですが、 それだと薬の色や光の加減で見えにくくなると言うのです。 この声を、聞き逃さない人物がいました。

「ならば、メモリをプリントして見えやすくすればどうだろう」。
その人物はさっそく自社の工場と掛け合い、試作品づくりに着手。
ところが、プラスチックボトルではインクの定着が悪いうえ、 不規則な楕円形状がネックになり、印刷機が対応できません。
「やっぱりダメか」。諦めることは簡単ですが、その人物は、 「だからこそ医療現場の人たちの喜ぶ顔が見たい」と、逆に執念を燃やしました。

ある時奇跡の閃きがありました。

「ボトルがゆがむほど押し付けてはどうか?」。
載らなかったインクが初めて載りました。しかし激しくにじむ。 一歩前進したものの、課題はまだ山積しています。 さまざまな機械メーカーにも相談し、すべて「不可能」と断られました。
しかし諦めることなく、その人物はこう訴え続けました。
「自分の研究として続けるから、私費で機械を作ってほしい!」。
その熱意が、再び奇跡を呼びました。
「こんな無謀な挑戦をする人はいないよ」。
そう言いながらも、あるメーカーが自動印刷機械を製造してくれたのです。
そこからは深夜におよぶ機械との格闘、印刷担当者との試行錯誤の連続。 半年間かけて、不安定ながらも連続印刷ができるようになり、 さらに歳月を重ねて安定化。そしてようやく製品化にこぎつけました。
名付けて『プリントメモリ瓶』。業界初となる、メモリが見やすい投薬瓶の登場に 需要は一気に高まり、一般化されるまでになりました。

閃き

その人物とは

当社の先代の社長です。
「誰かの喜ぶ顔が見たい」という一心がかなえた奇跡の開発。 同じように、シンリョウが取り扱う全製品は、ただのモノではありません。
医療関係の方々、そこに命を預ける患者の方々、 彼らの笑顔を思い浮かべながら取り揃え、あるいは開発したモノばかりです。
私たちは、必要となれば今日からでも開発に取り掛かります。 そして、それらを日々提供できることに、誇りをもって仕事をしています。
約2万点の医療を支える製品を取り扱うシンリョウ。
私たちは、そうした誇り、モノづくりの心に共感してくれる皆さんと、 一緒に働けることを願っています。