コラム

【調剤】令和8年度診療報酬改定

薬局の新たな価値づくりと環境整備のポイント

令和8年度診療報酬改定では、地域医療体制の強化と医療の質の向上を目的として、医療提供体制の見直しが進められ、地域包括ケアシステムの中で薬局が担う役割がこれまで以上に重要になっています。

今回の改定では、在宅医療の推進や服薬管理の強化、残薬対策、かかりつけ薬剤師機能の充実などが重点項目として示されました。特に個人宅への訪問評価が高くなり、薬局は単なる調剤の場ではなく、患者様の生活を支える医療拠点としての機能が求められています。その為、薬局では在宅への対応が必要となり、自局のサービス内容だけでなく、設備やツールの整備も重要なポイントとなります。

残薬管理に関する評価

まず注目されるのが「残薬調整」です。患者様の残薬を確認し調整することに対して評価が高くなっています。高齢化により、複数の薬を服用する患者様が増加しています。こうした患者様の服薬を支援・管理するのに便利なツールが「服薬カレンダー」や「おくすり管理ボックス」です。曜日や時間ごとに薬を整理することで、飲み忘れや飲み間違いを防止します。特に在宅医療の現場では、患者様本人だけでなくご家族や介護スタッフ様が薬を管理するケースも多く、視覚的に分かりやすい服薬管理ツールは大きな効果を発揮します。

▲服薬カレンダー各種
▲くすり箱1週間用

さらに近年注目されているのが「服薬支援ロボ」の活用です。服薬時間を音声やアラームで知らせ、設定したタイミングで薬を取り出せる仕組みにより、飲み忘れを防ぐことができます。高齢者の独居世帯が増える中で、こうした機器は在宅患者様の服薬管理を支える有効な手段として期待されています。
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▲服薬支援ロボ

医療費適正化の観点から「残薬対策」は重要なテーマとなっています。患者様の手元にある薬を薬局に持参してもらい、薬剤師様が確認する「ブラウンバッグ運動」はその代表的な取り組みです。その際に活用できるのが「残薬バッグ(ブラウンバッグ)」です。患者様が自宅にある薬をまとめて持参しやすくすることで、重複投薬や不要な薬の削減につながります。これは患者様安全の向上だけでなく、医療費の適正化にも貢献する取り組みとして注目されています。
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▲ブラウンバッグ

かかりつけ機能の評価

次に重要となるのが、薬局の「かかりつけ機能」です。地域住民が気軽に健康相談を行える場所として薬局が活用される機会が増えており、地域支援体制加算の施設基準にセルフメディケーション関連機器の設置が追加となりました。
例えば、
・体温計
・パルスオキシメータ
・血圧計
・体重計
・握力計
・骨密度測定器
・体組成計

▲体温計
▲パルスオキシメータ

など少なくとも3つの機器の設置が必要となります。患者様の健康状態を簡易的に確認し、受診や生活改善のきっかけを提供することができる為、こうした取り組みは地域住民との接点を増やし、薬局の存在価値を高めることにもつながります。
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さらに、患者様が安心して相談できる環境づくりも欠かせません。プライバシーに配慮した「相談室」や「パーテーション」の設置は、服薬相談や在宅医療の相談を行う際に重要な設備です。また、地域支援体制加算では椅子に座った状態で服薬指導を行える施設基準も設けられている為、「昇降式投薬カウンター」など汎用的なカウンターの導入により、高齢者や車いすの方にも利用しやすい薬局環境を整えることができます。

そして、薬局のサービスを地域に伝えるための情報発信も重要です。例えば、店頭の「ウインドウサイン」を活用することで、健康相談や在宅医療の対応など薬局の取り組みを分かりやすく伝えることができます。また、「在宅医療案内パンフレット」や「かかりつけ薬剤師案内カード」を活用することで、患者様に薬局のサービスをより具体的に理解してもらうことができます。

▲在宅案内パンフレット(イメージ)

これからの薬局は、調剤業務だけでなく「地域の健康拠点」としての機能が求められます。服薬支援ツールの導入、セルフメディケーション関連機器の設置、相談環境の整備、そして地域への情報発信など、多角的な取り組みが薬局の価値を高めていきます。

令和8年度診療報酬改定は、薬局の役割が大きく変化していることを示す重要な転換点です。制度の変化をチャンスと捉え、患者様サービスの向上と薬局機能の充実を図ることで、地域から選ばれる薬局づくりにつながります。今後の薬局運営においては、こうした設備やツールを積極的に活用し、地域医療を支える存在としての価値をさらに高めていくことが求められています。

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