令和6年度診療報酬改定において、外来・在宅ベースアップ評価料が新設されました。
今回の診療報酬改定では、医療従事者の人材確保のため、賃上げの取り組みが焦点の一つとなっていました。
最終的には、40歳未満の勤務医や事務職員の賃上げのために初再診料引き上げが行われ、その他医療従事者の賃上げのために「ベースアップ評価料」が新設されました。
ベースアップ評価料を算定することで得られる診療報酬は、全額従業員の賃上げに充てなければなりません。
①ベースアップ評価料の算定メリット
②ベースアップ評価料の算定デメリット
③外来・在宅ベースアップ評価料の点数
④外来・在宅ベースアップ評価料届出方法
■ベースアップ評価料の算定メリット
・他業界や他医療機関への人材流出防止
・支援金の支給
厚生労働省の令和6年度補正予算案では、賃上げや生産性向上を目的とした取り組みを支援するため、「ベースアップ評価料」を届け出ている医療機関を対象に、設備導入など生産性向上に資する経費を補助する給付金を支給する『生産性向上・職場環境整備等支援事業』が決定しています。
ベースアップ評価料を届け出ている病院、診療所、訪問看護ステーションで支援金が受け取れます。
賃上げの対象となる職種は下記となります。
出典:厚生労働省 令和6年度診療報酬改定の概要【賃上げ・基本料等の引き上げ】
■ベースアップ評価料の算定デメリット
・患者様への説明
・届出や実績報告対応による事務負担増加
ベースアップ評価料は患者様負担となりますので、患者様からの質問に対応する必要があるかもしれません。また、ベースアップ評価料は年度毎に実績報告があります。
患者様へのご案内については、厚生労働省よりご案内用ポスターが公開されています。
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(1日につき)
1 初診時 6点
2 再診時等 2点
3 訪問診療時
イ 同一建物居住者等以外の場合 28点
ロ 同一建物居住者等の場合 7点
「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)」を算定し、賃上げに充てる場合、対象職員の賃上げ率が1.2%に満たない医療機関については、1.2%の賃上げが最低限実現できるよう「外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)」の算定が可能になります。
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)については下記の厚生労働省より発表された資料をご確認ください。
出典:厚生労働省公開資料 令和6年度診療報酬改定の概要【賃上げ・基本料等の引き上げ】
また、ベースアップ評価料について患者様に周知していただくためのポスターを用意しましたので、ぜひご活用ください。
▼クリックでダウンロードできます。
ベースアップ評価料等に係る届出については、医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局都道府県事務所ごとに設定された専用メールアドレスにベースアップ評価料Ⅰ専用届出様式(Excelファイル)の提出が必要です。また、メールアドレスを持っていない等やむを得ない事情がある場合には、書面での提出も可能です。
厚生労働省ホームページより『ベースアップ評価料Ⅰ専用届出様式』をダウンロードし賃金改善計画書を作成してください。
厚生労働省ホームページ ベースアップ評価料等について
日本医師会より『ベースアップ評価料の届出様式の 大幅な簡素化について』の資料が公開されています。(出典:日本医師会 資料)
他にも、厚生労働省より『外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)専用届出様式作成の手引き』が動画で公開されています。
出典:厚生労働省YouTube 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)専用届出様式作成の手引き
動画を参考に外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)専用届出様式作成を行いましょう。
最後に、ベースアップ評価料は賃金規定等にも関係してきます。
ご契約の税理士の先生にも相談すると安心です。
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