奇跡のメモリ。
「どこかで見かけたことがある」とお思いでしょうか。 病院や薬局でよく見かける、ありふれた投薬瓶。 でも実は、ここに私たちシンリョウの 精神が息づくドラマがあります。
「これ、分量が測りにくくて…」。
始まりは、そんな医療現場の何気ない会話から。
日ごろ使っている投薬瓶には凹凸のメモリが刻んであるのですが、
それだと薬の色や光の加減で見えにくくなると言うのです。
この声を、聞き逃さない人物がいました。
「ならば、メモリをプリントして見えやすくすればどうだろう」。
その人物はさっそく自社の工場と掛け合い、試作品づくりに着手。
ところが、プラスチックボトルではインクの定着が悪いうえ、
不規則な楕円形状がネックになり、印刷機が対応できません。
「やっぱりダメか」。諦めることは簡単ですが、その人物は、
「だからこそ医療現場の人たちの喜ぶ顔が見たい」と、逆に執念を燃やしました。