単純なリフォームではなく新しい『場所』を創り出す。教えてください。――設計時のイメージ・想いについて 今回リフォームの依頼をいただいて、「新生シンリョウ」をこの建物を利用してどうやったら表現できるのかと漠然と頭に浮かびました。何を変えたらどう変わるのか。壁紙等建材を変えただけでは、使い勝手が新しくなったわけではない。今回は、単純なリフォームではなく、1階に新しい機能や空間を創り出すことがテーマでした。本社の建物全体を眺めてみた時に、1階のスペースをどういう目的で使ったらいいのかを考え、私は社内の人は元より、社外の人とも出会い・集まれるというスペースを「シンリョウカフェ」と呼ばれるような心地よい空間を創りたいと考えました。しかし集まるためにはどうすればいいのか。小分けに部屋を区切ってしまうと使い方が限定されてしまいます。そこで必要最小限部屋は区切るが、壁材をガラス張りとすることで、空間全体が見渡せ、開放感を与えるようすべての仕切りをガラスとし、一つの空間に見えるようにしました。天井については、通常天井材を貼りますが、天井材を無しにすることでより空間に広がりが出るようにしました。照明器具も事務的な照明は使わず、必要な照度だけを取れるものにすることで、カフェテリア的な空間としました。6旧シンリョウ本社1階2024年6月、東京都豊島区要町にあるシンリョウ本社1階をリフォームいたしました。設計者の(株)創建築設計事務所の上田 斉氏に設計時の想いや全体のコンセプト等をお伺いしました。シンリョウ本社1階をリフォームしました
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