Doctor'sライフ 10
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クラフトジンの定義世界のクラフトジン クラフトジンには明確な定義はありません。一般的には通常のジンの定義を守りつつ、作り手の想いや技術が込められたこだわりのジンをクラフトジンと呼びます。それでも通常のジンとの違いは大きく3つあるといわれ、1つめは小さな蒸留所などで作られている点です。通常のジンは大量生産が主流で、大きな蒸留所や大手メーカーで作られています。一方のクラフトジンは小さな蒸留所で、少数の作り手によって作られています。丁寧に作られている分、1度に多く生産できず、製造量が少ないことがほとんどです。 2つめは作り手が好きなようにアレンジしている点です。ジンはジュニパーベリーを風味付けに使用する以外は制限がなく、お酒のなかでも自由度が高いとされています。そのため、作り手は蒸留酒の枠を超えなければ製造方法も自由に選択できます。また、使用するボタニカルも好きなものを組み合わせることができ、自分のこだわりを追究しやすく世界中で多くの種類が作られるようになりました。 3つめは地域特有の素材を使用している点です。世界は地域によって気候も違い、それにより人々の好みも違います。世界各地にいる作り手は、その地域や風土に合ったボタニカルを熟知しており、そのボタニカルの魅力を最大限に引き出す知識も豊富です。さらに、地域の特産品なども使用して唯一無二の個性的な1品を作り上げることができます。 このように、自由度の高いクラフトジンだからこそ、幅広いフレーバーと種類の多さが実現できているといえます。 自由度の高いクラフトジンだからこそ、各地域によって特徴が大きく違います。代表的な地域の特徴をご紹介します。◆ヨーロッパ ヨーロッパではその国ごとの特徴がいかされており、さまざまなものがあります。たとえば、オランダはジン発祥の国といわれており、クラフトジンでも伝統的な製法を採用しつつ、複数の蒸留物を組み合わせて複雑な味を楽しめます。ドイツは他とくらべて少し甘味があり、カモミールやフェンネルなどのハーブ、シナモンといった香辛料をふんだんに使用し、スパイシーな風味も特徴のひとつです。また、ワインが主流のフランスではブドウを使用するなど、他のお酒からヒントを得て作られているものも多くあります。◆アメリカ アメリカではジュニパーベリーの風味が抑えられているものが多く、苦手という方も比較的飲みやすいのが特徴です。また、アメリカではおもにポットスチルという蒸留器が使用されており、ボタニカルの風味がより強く引き出されている傾向にあります。◆オーストラリア ユーカリでミントのようなすっきりとした味わいを出すなど、豊富な自然からさまざまなボタニカルを使用 自宅でお酒を楽しむ方も増えてきた近年では、ビールや日本酒などの定番のお酒だけではなく、ウイスキーやカクテルなども人気を集めています。なかでも今回はクラフトジンに焦点を当てました。通常のジンとの違いや楽しみ方から、奥深いジンの世界に飛び込んでみましょう。14新しい発見でよりお酒を楽しむ新しい発見でよりお酒を楽しむクラフトジンの魅力と楽しみ方クラフトジンの魅力と楽しみ方

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