日本酒とは一段深くなる楽しみ方 最初に趣味として楽しむうえで欠かせない、日本酒の基礎知識をご紹介します。基本の日本酒の特徴は、特定名称酒や季節ごとの違いから掴めます。■ 日本酒の定義 国税庁の日本酒造組合中央会で定義する、清酒と日本酒は次の通りです。清酒とは、米、米こうじ及び水を主な原料として発酵させてこしたものを言います。清酒のうち、日本酒とは、原料の米に日本産米を用い、日本国内で製造したもののみを言います。 例えば、こしていないどぶろくは日本酒ではありません。最近では海外でも清酒造りの動きが広まっており、アメリカのニューヨークやハワイ、フランスのパリなどにも醸造所があります。■ 特定名称酒 日本酒は「普通酒」と「特定名称酒」の2種類に分けられ、特定名称酒は原料と精米歩合によって名称が付けられます。 日本酒には表層部を削ったお米を使用しますが、精米歩合とはお米の削り具合のことです。削るほど雑味が減るとされていて、精米歩合60%以下は吟醸、す。また、醸造アルコールが添加されているかによっても名称が異なり、アルコール添加のされた本醸造に対し無添加のものは純米です。 原料と精米歩合、アルコール添加を組み合わせて、純米吟醸や特別本醸造などの名称が決まります。■ 季節ごとの日本酒 日本酒は、四季によって味わいが異なるのも特徴の1つです。新米を使って造られた冬の新酒は、スッキリとした味わいがあります。春酒は華やかな香りやラベルでお祝い事を彩るほか、味わいも香り豊かで甘いものが多い傾向があります。ピンクに色づいたお酒もあり、見た目も楽しめるでしょう。夏は暑くても飲みやすい、さっぱりとした酸味の効いたものやフレッシュな味わいの生酒などが多い季節です。秋は、丸みのある味わいが楽しめる「ひやおろし」のシーズンです。ひやおろしは、通常は2回行う火入れ(加熱処理)を1回で留め、蔵で半年熟成させて造られます。 日本酒の味わいに関わる代表的な要素には、温度と食べ物、そして酒器が挙げられます。これらを知ったうえで、小さな違いにもこだわると一段と深い楽しみ方ができるでしょう。■ 温度で楽しむ 同じ日本酒でも温度によって味わいは大きく変わります。冷えた冷酒は、キリッとしていて爽やかな味わいを楽しめるため、香りやアルコール感が苦手な方におすすめです。常温で楽しむ冷やは、本来の味を感じやすいとされていて、各日本酒の個性を楽しめます。温めた熱燗やぬる燗は、お米の味がはっきりと感じられ、香りも豊かです。 1杯飲む間にも時間とともに温度が変わり、味や香りがそれにともなって変化するため、同じ日本酒でも飲みながら様々な雰囲気を感じられるでしょう。■ 食べ物と楽しむ 食べ物の相性を見ながら日本酒を嗜むのも、楽しみ方の1つです。代表的な組み合わせは、刺身と冷酒でしょう。脂の乗ったマグロは、スッキリと癖のない12伝統的に楽しまれてきた日本酒は、今でも変化し続けています。ある程度たしなんではいても、いつも同じものを飲んでいたりトレンドに疎かったりする方も多いのではないでしょうか。当記事では、日本酒の基礎知識を押さえつつ、様々な切り口での楽しみ方とトレンドをご紹介します。70%以下は大吟醸などと名称が付きま令和も深まる日本酒の魅力!令和も深まる日本酒の魅力!多様な楽しみ方とトレンドを紹介多様な楽しみ方とトレンドを紹介
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