■ 1.ネームクリアをするリスク❶買い手のリスク 開業を考えていることが売り手に伝わることになります。ただし、買い手の情報を売り手が外部に漏らした場合、機密保持契約違反となり、場合によっては損害賠償の対象になります。 また個人で現在勤務中の買い手の場合は、将来転職や開業を考えていることが漏れるのは困ることになりますが、例えば分院展開を積極的に行っている医療法人などの場合、継承をしての分院展開を考えているということが広まることをそこまでのリスクと考えていない法人もいらっしゃいます。 万が一、情報漏洩した際には従業員や患者さんなどに知られてしまうので、損害が大きいです。リスクを最小限に抑える為にも、情報管理を徹底している仲介会社と取り組むことは当然のこととして、複数候補からのネームクリアの依頼があった際などは開示する優先順位を設けるなども必要です。2.ネームクリアを断られるケース 買い手がネームクリアの依頼をして名乗ったものの、売り手が開示を断るケースネームクリア時の留意点ネームクリアについて終わりに. 7 ノンネームシートはどの程度の情報を記載するかが非常に重要なポイントです。ノンネームシートの記載する内容は薄すぎても問い合わせが入りにくく、詳細に記載すると特定され易くなってしまいます。記載内容については、魅力的な内容になるように、コンサルタントとしっかり相談をして決めていくことが大切です。 また、後々トラブルが生じないようにノンネームシートの記載内容は、必ず売り手側が確認してから開示しましょう。 医療機関M&Aを検討し、仲介会社と話を進めたことがあれば、「ネームクリア」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。M&Aでは、具体的な案件がわからないノンネームシートにて買い手探しを行います。その後、買い手候補から問い合わせが入り、ネームクリア(クリニック名や概要書などの詳細情報の開示)を求められて、売り手が承諾をした相手にのみ情報を開示するという流れが一般的です。 ネームクリアをする際には、一般的にはまず買い手から名乗ります。仲介者を通じて、買い手が現在の所属と名前を伝え、その後、承諾がとれた場合にのみ、売り案件の詳細情報が開示されます。❷ 売り手のリスク❷ 競合、連携先の場合もあります。その例についてご紹介します。❶買い手が知り合いだった場合 買い手はネームクリアを求める時点では、ノンネームシート上の情報しか知らない為、売り手が誰なのかを把握していません。しかし、その買い手が売り手と知り合いだった場合に売り手はお断りをすることがあります。理由としては、M&Aを進めていく中で、概要書を開示した時にクリニックの売上や役員の年収、接待交際費の金額まで知られてしまう為です。売り手が知り合いにそこまで見られてしまうことを嫌がり開示を断ることがあります。 直接の知り合いではないですが、例えば買い手候補先が同じ駅で開業している競合の場合も断られてしまうことがあります。理由としては、概要書を開示した際に売り手の患者数や、どういう疾患の患者さんが多いかなどの経営情報が買い手に渡ってしまうことを恐れるからです。 ネームクリアは、必ず承諾しないといけないものではなく、売り手は断ることも出来ます。ただ、買い手からすれば、継承をしたいという情報を売り手に伝えたとしても、機密保持契約を締結しているので情報監修 株式会社GCFACTORYが漏洩することを過剰に心配する必要はなく、仮に断られてしまったとしても、ネームクリアに費用が発生することはないのが一般的です。そういったことも踏まえて、現在興味のある案件があり、ネームクリアするか迷っているのであれば、まずはネームクリアをしてみてはいかがでしょうか。 本記事では、問い合わせからネームクリアまでの流れをご説明しました。お役立ていただければ幸いです。また、繰り返しにはなりますが、シンリョウでは事業承継を安心してご相談いただけるコンサルタント会社のご紹介が可能です。お気軽にご相談ください。お気軽にお問い合わせくださいフリーダイヤル:0120-7-11296平日9:00~19:00まで受付お問い合わせフォーム ▶
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