クラフトビールは小規模な醸造所で造られたビールが始まりだと言われています。職人が造ったビールを「クラフト(手工芸品)」に例えたのだそうです。いまではアメリカのビール醸造者協会によって、「小規模であり、独立し、伝統的な醸造所である」という3つの条件を満たす醸造所が「クラフトビールメーカー」として認められています。 ただ、昨今は大規模なクラフトビール醸造所も増えています。必ずしもこの条件にあてはまるとは限らないケースがあることも確かです。また、日本ではクラフトビールについて明確な定義がありません。もともとクラフトビールがブームになる以前から、日本は「地ビール」として各地の小規模な醸造所が独自のビールを生み出していました。 このようにクラフトビールの定義は決して単純ではないため、「醸造所が独自に作る個性を持ったビール」として考えておいても差し支えないでしょう。 数多いクラフトビールから好みの味を見つけ出すのは大変です。まずは好みのテイストを考えましょう。 クラフトビールには「ラガー(下面発酵)」と「エール(上面発酵)」があります。製造過程における発酵方法が違い、できあがりの味わいも大きく異なる重要な要素です。 ラガーは発酵後に酵母菌がタンクに沈殿するため、下面発酵と呼ばれるようになりました。日本で一般的に流通しているビールはラガーが多く、皆さんが想像するあの爽快な喉ごしが楽しめる発酵方法です。 いっぽう、エールは酵母菌がタンクの上に浮かび上がるため、上面発酵と呼ばれています。ラガーよりも歴史が古く、イギリスでは1,500年以上も前に生まれたのだそう。海外ではラガーよりも好まれる発酵方法で、フルーティーで香り豊かな旨味を持つことが特徴です。クラフトビールの魅力とおすすめの楽しみ方 クラフトビールとは? 個性あふれる味わいと豊かなラインナップ 好みのテイストを見つけよう クラフトビールのカテゴリー 世界でも日本でも、ビール好きを魅了してやまないクラフトビール。最近はスーパーやコンビニでもバラエティ豊富なクラフトビールが取り扱われるようになりました。なかには「従来のビールとクラフトビールの違いは?」と疑問に思ったり、「どのクラフトビールを選べばいいのだろう?」と悩んだりする人もいるかもしれません。そこで本記事では、クラフトビールの概要や、好みのクラフトビールの見つけ方について詳しく解説します。下面発酵上面発酵10
元のページ ../index.html#10