Doctor'sライフ01
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― 小原二郎(こはらじろう) 1916年千葉大学名誉教授。農学博士。専攻は人間工学。寝心地のよさのために適切なマットレスの硬さを選びましょう 寝心地のよさとマットレスの硬さは関係しています。一般的に左記の表のように柔らかいマットレス、硬いマットレスそれぞれにメリット、デメリットがあります。人間工学の権威、小原二郎氏の研究でも、硬すぎるマットレスで眠ると背中、お尻に圧力が集中し、しびれや痛みのため、寝返りの数が多くなり疲れてしまうという結果がでています。逆に柔らかすぎるマットレスの場合は、背中とお尻が落ち込みカラダが安定せず寝返りがうちにくくなり、疲れがとれないという結果がでています。7音9柔らかいマットレス硬いマットレス午後4時を過ぎたら覚醒作用をもつカフェインの多いコーヒーや紅茶・緑茶は避け、カモミールなどの鎮静効果のあるノンカフェインのハーブティーが良いでしょう。眠っているときの寝床内の温湿度を寝床内気候と呼び、快適と感じる理想的な温度は33℃前後、湿度は50%前後とされています。寝床内気候を快適にするには、寝具の保温性と湿気に注意する必要があります。スプリングマットレスは内部の通気性がよく、通気孔も設けてあるので湿気についてあまり気にする必要はないでしょう。基本的には無臭が寝室には好ましいものの、香りがあることで気持ちが落ち着く人もいます。自然療法としてのアロマテラピーや日本的なお香から、効能よりも好きな香りを楽しむものまでバリエーションは豊富です。自分に合った落ち着ける香りを選びましょう。就寝前は暖色系の弱い光が気持ちを落ち着かせます。一般的には30ルクス程度の光であれば支障もなく、夜目覚め時に不安にならず、トイレにいく時につまづくこともありません。また、ほとんど遮光してしまう厚手のカーテンよりも、障子のように朝しだいに室内を明るくする薄いカーテン(レース)の方が自然に目をさまします。2016年色の好みも各人各様ですが、寝室には基本的に落ち着いた色を使用するのが無難です。主に床、壁、天井、それにカーテンや寝具などの色が寝室の雰囲気に影響を与えます。川の流れや波の音など、自然の中の単調な音も心地よく感じます。これらのテープを聴いた場合、平均9分程度入眠が早まったという報告もあります。音楽などはその人の習慣によって左右されますが、自分にとって心地よい音楽は、脳をリラックスさせて眠りを誘います。例えばクラシックのなかで入眠に有効なのは、穏やかでやさしい調べの曲です。寝室には寝具のサイズを基本に、ベッドならばカバーの交換やマットレスを裏返す(長持ちさせる)ためのスペース、二人で寝る場合では両サイドのスペース、和ふとんならば押し入れの出し入れから一連の作業スペースを加えた、ゆとりある広さを確保しておく必要があります。空いているスペースがあるからといってむやみに物を置くと、睡眠環境を損ねることになりかねません。和ふとんに比べ、ベッドは重厚で高い位置に寝ることになり、その高さが心地よい人もいれば、反対に天井が低いため圧迫を感じる人もいます。ベッドには高さを調整できるものや低い位置のものもあり、バリエーションが豊富です。いずれにしても狭すぎて圧迫感がなく、寝室ということから広すぎて不安を感じることのない適度な広さが大切です。監修:フランスベッド株式会社factor01factor02factor03factor04factor05factor06factor07メリット柔らかいマットレスはカラダを包み込むようなかたちで沈み込むので保湿性が高く温かくなります。硬いマットレスはマットレスの形が変わりにくく、沈み込みにくいので、カラダへの負担は少なくなり、寝返りがしやすくなります。デメリットマットレスが柔らかいことで、カラダが沈みこみすぎるので寝返りがしにくくなり体への負担が大きくなります。硬すぎるマットレスでは、身体の各所に圧力がかかり、逆に寝返りを打ちすぎて疲れてしまうこともあります。睡眠の質を上げる飲み物温度と湿度香り照明つのファクター色彩スペース

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